▼ 上から新着順です ▼

こんな世の中だからこそ「人と人とのつながり」を!

【健康】患者様と先生、友人、知人、人間は人と人との関係で生きている!

 こんにちは、山の上の院長こと佐々木です。今年の24時間テレビのテーマは「人と人」というテーマだそうですが、人間はいつ、いかなる時でも、色々な周囲の方々にお世話になりながら生きています。「い~や、俺はひとりの力で生きている!」と思う方でも、例えば食事に使う食材を栽培している農家の皆さんや、日常生活の中で使う物を開発、製造してくれている方の恩恵を受けています。

 これは私達もどの分野の方でも同様で、患者様が信頼を寄せて来院して下さるからこそ病院も治療院も施術院も成り立ってゆけると思います。今回は、24時間テレビのテーマにあやかって、私達や専門家である治療や施術に携わる先生という立場とあり方について考えてみたいと思います。



専門家である前に人間として

 色々な分野に携わる方の中で「先生」と呼ばれる方々がおります。私もそう呼ばれていますが、どうしても専門分野である治療や施術に携わる先生の場合、患者様と専門家としての立ち位置になってしまいます。もちろんそれはそれで悪いことでもなんでもないのですが、いつからなのか、時代の技術の進歩によって、先生が患者様の顔を見て話しをする、患者様の話しを良く聞く、患者様の体を動かして確認するということが無くなってしまいました。

 ある患者様は「質問をすると先生が怒りはじめる。」と言っていたり、「パソコンの画面と話しをしている。」というお話しをよく伺います。確かにその通りだと思ってお話しを伺っておりますが、その辺もあってなのか、本来は見落とすべきではないような症状の見落としが増加しているように私には感じられます。

 画像上は特に異常がないという状況で診断された患者様が数日後、症状が変わらないということで他の病院を受診してみると骨にひびが入っていたというような感じのお話しを最近では良く聞くようになりました。骨折だけに限らず、ひどい場合にはいくら患者様が痛みを訴えてみても「そんなところに痛みが出るはずはない。」と言われてくる場合もあるようでした。出るはずがないのではなく、自分の知識外のことなのでわからないということが正しい言い方であり、私のところに、そのようなご相談でいらっしゃる患者様にもそうお伝えしています。

 患者様は痛みや不調、体に関する知識という面では明らかに先生よりも素人です。先生に質問をする時にも、専門用語なんてあまりわからないのが当たり前です。専門的な教育を受けてきたわけではないので。しかしそれでも、良くお話しを伺っていると、痛みや不調に関するヒントや、ある時には答えそのものをお話ししてくれていることがとても多く、その訴えに対して素直に受け止めて、ひとつずつ確認して行けばおのずと答えが見つかりやすいものです。

 当院にご相談に来られる患者様からのご質問に対して、私の方でお答えさせて頂くと「こんな話しをされたのは初めてです。こんなに詳しくわかりやすく説明してもらったことはありません。」と話して下さいます。その際、実際に「このように動くと痛みが出るでしょ?」とか、「この場合だと楽でしょ?」というお話しを私から患者様にお伝えすることがありますが、「えっ!?その通りです。どうしてわかるんですか!?」と言われることがあります。それがわからなければ治すに治せないということだと思います。


若い時の自分のやり方と傾向

 西洋医学は研究の医学、東洋医学は経験の医学と言われるように、現在の医療体系や治療、施術の分野では様々な考え方と理論が存在します。私は昔、下積み時代や開業当初、患者様ひとりひとりのお話しを元に、ひとりひとりの方のデータをずっとまとめていました。例えば腰痛の場合、病院での検査ではなんと言われて、それに対する治療方法や治療方針はどういう手法で行ったのか、その後は別な病院や治療院、施術院などでも治療や施術を行ってみた経験があるのかどうか、その時の治療や施術の方法はどういうものだったのか、症状の明確な変化はあったのかどうか、特定の動作で痛みが出たり消失したりするのかどうか、内臓の不調や自覚症状はないのかなどなど、これをひとりひとりの患者様に毎回来院の時にお話しされた内容とともに数年間まとめていました。

 現在でも初回来院時には詳しくお話しを伺いますが、ここまでくるとある程度お話しを伺った時点で大概のことがわかるようになってしまいました。これはおそらく、私が現在場所をお借りしている施設の環境にもよるものだと思いますが、温泉施設内の2階をお借りしている手前、治療や施術などを繰り返し行っても、痛みや症状が良くならず、体を温めるように言われたということで若年層から高齢者の方まで幅広く「日帰り入浴」にいらっしゃいます。その際にご相談を受けて施術に来られる患者様もおられるということと、ご紹介されて来られる方のほぼ全ての方の理由が「どこに行っても良くならなかったので、知り合いから騙されたと思って行ってみてと紹介されて。」という理由で来られる方が多い為に、通常の施術院とは異なった患者層になっているのかもしれません。
 
 考えてみて下さい。どこに行っても良くならなかった症状でご相談されて来られた方を、何とかしようと思うことがまずプレッシャーの感じることです。さらに、紹介されて来られる方が圧倒的に多く、せっかくご紹介を頂いた方に対してもプレッシャーを感じることです。これが私の場合、ほぼ毎日ですので、何年もそのプレッシャーの中で仕事をしていると、その絶えずプレッシャーを感じていることに慣れてしまい、逆に休日になると気が抜けてしまうのか、意外と体調がすぐれないこともあります。でもそれを大変だと思うことは毎日のようにあっても、嫌だと思うことはありません。
 
 他にも数多くの治療院や施術院がありますが、その中でも当院を選んで下さったことに対してありがたいと思い、せっかく時間と費用を費やしてまで来院されたその気持ちに、何とかお応えしようと躍起になっている毎日ですが、他院との差別化を図ることもなく「最後の駆け込み寺」とか「ラストオピニオンの場所」と多くの方々に言って頂けるようになりました。これはおそらく今後も変わらずに進んで行くんだろうと思っています。


AIに代わっても用が足りると言われたら最後

 最近ではAI(人工知能)が色々な分野で有効活用されています。しかし最近、当院に来られる患者様から聞こえてくるようになったご意見の中に「診察って、AIでもできるんじゃないですか?結局最後は湿布と痛み止めの飲み薬だけになるので、病院の先生は手術だけにして、診察はAIにさせれば良いと思います。その為のデータ入力だけを先生が絶えずパソコンに向かってやっていれば十分な気がするのですが。」ということが今年に入ったあたりから聞こえてくることが数回ありました。これは湿布と痛み止めという限定があるので、おそらくは整形外科の先生に対してということだと思いますが、要は「診断結果がどうであれ、大半の場合は湿布と痛み止めの処方だけ」というイメージが患者様に定着してしまっていることの裏返しなんだと思います。

 他にも整形外科だけでなく治療院や施術院に対しても「どうせ電気をかけるだけでしょ。」というイメージを持っている方もとても多く、こうなってしまうと「どこに行ってもどうせ一緒でしょ?」ということにつながってしまいます。
 
 専門家として従事している人間にとって「AIに代わっても用が足りるでしょ。」と患者様や世論から言われてしまった時点で、専門家としての役割が果たせていないということなんだと思います。実際に私の知っている整形外科の先生や治療家、施術家の先生の中に、本当に日々考えて従事なさっているんだなぁと思える先生も実際にいらっしゃいます。しかしそうでない先生の方が圧倒的に大部分を占めています。

 専門家は「ただ毎日のように通わせること」ではなく、今現在悩まれている痛みや不調に対して明確に改善方向へ向くように、道しるべを示してあげることです。痛みの感覚だけを騙して様子を見ることではありません。と、このように言ってしまえばたくさんの敵を作ってしまうでしょうけれども、実際問題そういうことです。



人とのつながりは大きな財産

 人と人とのつながりは、思っている以上に大きな財産です。人間は生きているのではなく、周囲の様々な方の力添えを受けながら生かされているのだと思います。これはどんなに時代が進んでも、技術が飛躍的に進歩しても、今も昔もなんら変わらない不変のものだと思います。

 今回のような記事を書くと、先生の中には「そんなの綺麗ごと!」と言う方もおりますが、綺麗ごとは悪いことではないと思いますし、それができないということであれば患者様の為に専門家を辞めて頂きたいと私は思っています。迷惑が降りかかるのは先生自身ではなく患者様です。全ては患者様の為の仕事であって、自分の知識を表に出して、患者様の話しを途中で途絶えさせることではありません。

 いつ、いかなる時でも「あの先生って器の大きさを感じるよねぇ。」とか「あの先生に診てもらうだけで良くなった気がしてくる。」という「安心感と安定」を感じて頂ける術者でありたいと私は思っています。