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誰でもわかる!からだの教科書・・・「首の不具合編」

首は体全ての痛みの原因になってしまう部位。ストレートネック、首のこり、頚椎症などなど。

 こんにちは、山の上の院長こと佐々木です。首は全身の色々な症状に対して波及することが考えられる部位のひとつです。

 人間の体のバランスの基準は、脳が水平になっているかどうかに左右されています。例えば脳がどちらかに傾いたとします。そうすると、頭が傾いている反対側の背中の上部の筋肉を収縮させて、傾いた頭を水平に保とうとします。こうなってしまうと「どちらか一方の肩が下がっている」という状況となってしまいます。

 この頭を支えているのが頸椎(首)という部位になりますので、頸椎の不具合は体全身に何らかの影響を及ぼしてしまう部位だと言えます。



現代病のひとつストレートネック

 近年、世の中の急速なメディア化によって起こっている頸椎の症状の代表格と言えば「ストレートネック」ではないかと思います。直訳すると「真っすぐな首」ということですが、本来の頸椎部は、7つある首の骨の内、上から数えて3番目~6番目までが後弯(後ろに反っている)しているのが普通です。しかし、パソコンやスマートフォン、タブレットなどが一般家庭や職場にも普及し、猫背気味の姿勢でいることが多くなったり、顔が常に下を向いているような姿勢で操作していることで、首の後弯が消失し、前に向かって真っすぐに骨が並んでしまう現象が起こってしまいます。このような状態をストレートネックと言いますが、ストレートネックによって起こる不具合の代表的なものには以下のようなものが挙げられます。

●自律神経失調症
●頭痛
●肩から上肢(腕)の不具合
●視覚障害
●聴覚障害
●嗅覚障害
●鎖骨周辺の痛みや違和感
●めまい
●慢性肩こり
●首の痛みや可動障害
●肩関節周囲炎(五十肩)に似た症状
●イライラしてしまう(ノイローゼの危険性もあります)

 ストレートネックを改善したり予防する体操やストレッチとして、首の後方に手の平を当て、その手の平を押しつぶすように顔を上に上げて行き、そのまま15秒ほど保持します。また、タオルを数回折りたたんで、夜寝る前に、首の後ろ側に敷いて仰向けに寝て頂き、そのまま両腕を大きくバンザイする姿勢を保持したまま30秒~1分程度行います。これを数セット繰り返して行うようにしても良いでしょう。これは症状が出ている、出ていないに関わらず、下記のような仕事に従事される方や、スマートフォンやタブレットを長時間使用されるお子様などは普段から行うように癖をつけておくことが大切です。

●パソコン操作が主な業務の方
●車の運転が長時間続く方
●下を向いて仕事をすることが多い方
●普段から猫背気味の方
●ソファーに座った状態でスマートフォン操作などをする方
●うつ伏せ上体でスマートフォンを使用する方
●座った状態でのゲーム


寝違い(首の脇に痛みが出る)

 朝起きると突然首の脇に痛みがあり、左右を振り向こうとしても痛みでなかなかスムーズに顔が旋回しない状態となるいわゆる寝違いは、数年前までは首の筋肉の炎症と考えられておりました。しかし近年、寝違いと内臓の不調との密接な関連性が明らかなものとなってきており、寝違いは内臓の不調によって起こると言われ始めてきております。首の脇にある迷走神経と言われる部位周辺に痛みが現れてしまうことが多く、迷走神経は副交感神経のひとつであり、副交感神経は内臓の働きと密接に関わっていることから、特に消化器と呼ばれる胃、胆のう、肝臓、すい臓などの不調から起こっている症状だと言われています。寝違いが起こった時に確認して頂きたいのですが、寝違いと同日もしくは寝違いが起こった数日後、胃もたれや消化不良、背中の痛みなどが起こっていないかどうか、また、寝違いが起こる数日前、寝苦しいと感じたり、どの姿勢で寝ても落ち着かないということが無かったかどうかを確認してみて下さい。

 これは内臓の不調によって体に現れる症状の一部ですが、このような症状が寝違いと併発して起こっていることが多く、寝違いを予防するということは内臓の不調に気を付けていなければなかなか難しくなってしまいますので、普段から内臓をいたわった生活環境にしておくことが大切ですので、基本的なことを下記に挙げておきますので参考になさって下さい。

●飲酒時に一番いたわるべきは胃です(次に肝臓)
●極端に脂(油)分の多い食生活は避ける
●暴飲暴食は避ける
●消化の悪い食べ物を摂取しすぎない
●一日の水分摂取量が足りているか確認
●ストレスの上手な発散法を考えて身に付ける
●バランスの良い食生活が重要
●お菓子の食べ過ぎに気をつける

 特に消化の悪い物の中には、体にとって重要な栄養素を豊富に含んでいる食品(海藻類など)なども多く、適度な摂取であれば構いませんが、極端に消化器が衰弱している状態であれば嘔吐などの原因となることもありますので注意が必要です。


頚椎症(頸椎ヘルニアも含む)

 頸椎症や頸椎ヘルニアは、首の痛みというよりも、肩から腕、場合によっては指先までのしびれや表現しにくい痛みが発生するという特徴があります。初期段階では首に違和感や痛みのようなものが現れ、その後数日で首の痛みが無くなり、肩から腕にかけて気持ちの悪い痛みというか違和感が現れ始めます。痛みがひどくなる体勢としては、顔を上に向けて首を後方に反らした時に、肩や腕の症状がひどくなる傾向にあり、下を向いたり、症状が出ている腕を何かに乗せて支えていると症状が楽になります。

 肩や腕に症状が現れ始める初期段階では、座ったり立っていたりする時の「地面に対して背骨が垂直になっている場合」には首用のコルセットなどを利用したり、寝る時には枕を後頭部に当てるようにして、症状が軽快するのを促します。コルセットの使用目的は、頸椎に対して縦方向にかかる重力を支えておき、寝る時は外すようにします。その状態で1週間から10日前後過ごしてもらうと、症状が明らかに楽になっていることが分かると思いますので、その後は症状が少しあっても、なるべく早い段階でコルセットの使用をやめるようにして下さい。

 このように改善方向へ向かってからは、肩甲骨の筋肉を動かしたり体操を行うことで、僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる首から肩甲骨までを支えている筋肉に柔軟性を持たせることと、上腕(方から肘まで)の筋肉を十分にストレッチしておくように心がけましょう。ブロック注射や手術に関しては最終的な手段だと考えて頂き、なるべくブロック注射や手術には頼らずに済むような方向へと進んで頂くことが理想です。あらかじめ予防する為に重要となる事項を下記に挙げておきます。

●姿勢に気を付ける(猫背はダメ)
●首の周囲の筋肉をストレッチしておく
●僧帽筋の柔軟性を保たせておく(体操・ストレッチ)
●胸筋群を緊張させない(猫背)
●腕の筋肉に柔軟性を保たせておく
●寝る時の枕を高くしすぎない
●ストレスにも注意が必要


交通事故などの後遺症(ムチ打ち)

 後方からの追突事故によって、首を後方に反らせる本来の可動域以上に後方に反ってしまった時、首の骨と骨との間で様々な組織を挟んでしまったり、骨と他の組織とで様々な部位を干渉してしまうことで炎症を起こし、首の痛みや肩、腕、顔などに神経症状が出てしまう症状をムチ打ち症と言います。

 ムチ打ちは事故後即座に現れるということは少なく、数時間から数日経過後に現れ、数ヶ月後から数年間続く後遺症として悩まされる方がとても多い症状です。

 追突事故の時などの急激な状況の時、人間の交感神経が過度に興奮状態となり、痛みなどを鈍くさせてしまいます。その為、事故直後はあまり痛みや不調は感じないものの、心拍や脈拍が落ち着き始めてくると徐々に症状が現れてきます。このムチ打ち症は、自事故後初日に何らかの処置をした場合とそうでない場合とで比較してみると、その後の後遺症の出現率が変わってきますので、きちんとした対処を事故後から考えて、あまり時間が経過しない内に行うことが大切になってくると思いますが、時間や日数が経過している場合の後遺症でも改善する可能性は十分にありますので、首の名医、首の専門治療家などの口コミを聞いて、ぜひ来院してみることも大切です。



首は痛みの他に体調不良も併発する

 首は体の他の部位とは違って、肉体的な痛みや違和感、神経症状などの他に、顔の神経とも密接な関りがある部位であるがゆえの体調不良(めまい・頭痛・吐き気・目、耳、鼻の諸症状、交感神経障害など)も同時に併発してしまう可能性がある、とても重要な部位です。また、人間の司令塔である脳の位置にもっとも近い部位でもあります。「首を治せば体の症状のほとんどは治る」と言われるくらい大切な部位ですので、日頃から自分でできることはなるべく気をつけて実践すること、それでもダメな場合には専門家に相談をすることが大切です。

 事故後のムチ打ち症の後遺症などでは、体調不良によってそれまで従事してこられた仕事を退職されてしまう方さえも実際にいらっしゃるほどですので、その時は何ともないと思っていても、事故後などには体のチェックをする意味でも早めの来院をされることをおすすめ致します。