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誰でもわかる!からだ教科書・・・「太もも・膝編」

様々な痛みが起こる大腿部(太もも)から膝関節。気になる原因と対策を公開!

 こんにちは、山の上の院長こと佐々木です。今回のテーマは下半身の中でも上部に位置している大腿部(太もも)から膝関節(しつかんせつ)までに重点を置いた痛みと原因と対策を考えてみたいと思います。

 大腿部や膝関節は、運動や日常生活の中で負荷がかかってしまう部位の為、ちょっとしたことが痛みや外傷(ケガ)の原因となり、しかも中々安静にしておける部位ではなく、立ち上がる、歩く、走る、登るというような動作を行う部位の為に、一度痛みが出始めると治りにくい部位だと言えます。

 ではどんなことに気を付ければ良いのか、どんな症状が起こるのか、その原因とはいったいどういうことなのか、その辺のお話しをしてみたいと思います。



運動によって起こることの多い症状

 どんなスポーツでも、必ず下半身を使います。その為下半身は、運動する時にとても重要な部位のひとつだと言えます。だからこそ痛めやすい環境下にある部位でもあります。この運動によって起こるケースが多い大腿部から膝関節にかけての症状としていくつかを下記に挙げてみたいと思います。

●挫傷(肉離れ)
●腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
●打撲
●オスグッドシュラッター症
●鵞足炎(がそくえん)
●滑液包炎
●ジャンパーズニー
●半月板損傷
●靭帯損傷(側副靭帯、前十字靭帯等)
●タナ障害

 これらの症状は大半の場合、何らかの衝撃を受けた際に起こる外傷であったり、お子様の成長過程におけるオーバーユースやストレッチ不足によって起こる症状です。言い換えれば、十分に防ぎようのある症状だと言えます。

 脚部に受ける衝撃は、股関節、膝関節、足首などの各関節で分散して受け止めています。そのひとつひとつの関節部に備わっている筋肉が動作不良などを起こしてしまうことで、衝撃の吸収が円滑に行えなくなってしまい、衝撃吸収ができにくい関節の分の衝撃を他の各関節で受け止めなければならなくなります。

 このようになってしまうと、いずれどこかの関節や筋肉組織に痛みが出てくることを誰もが予想できると思います。これは脚部だけでなく、人間の体の様々な部位で日常的に起こっていますので、痛みが出ている部位に問題があると考えていると、症状は中々改善へ向かわないことが多くなります。


日常生活の中で起こる症状

日常生活の中で起こることが考えられる脚部の症状や動作不良としては下記のようなものが挙げられます。これらは日常生活の中での生活環境や生活状況などによって起こるもので、若年層、高齢者共に誰でも起こる可能性がある症状です。

●正座ができない
●膝関節部の痛み
●挫傷(肉離れ)
●筋筋膜性疼痛
●腸脛靭帯部の痛み

 このような日常生活で起こる症状のほとんどは、各関節をつないでいる筋肉を動かさないもしくは動きにくい生活をしているとか、長時間同じ姿勢を保持していることが多いというような状況によって起こっていることが多く、筋肉と筋膜との癒着が大きな問題となっています。

 上記のような症状の場合に確認して頂きたいのは、長時間座っていることが多くないかどうか、歩く時に足裏で地面や床をこするように歩いていないか(段差のないところでつまづくことが増えます)、寝転がっているような姿勢が多くないかなど、ぜひご自分でも確認して頂けると良いと思います。動きの少ない筋肉と筋膜は、筋膜の水分やコラーゲンが減少し、癒着を起こしてしまうことで筋肉の動作不良が起こりやすくなってしまいます。

 改善策として考えなければならないことは、体の筋肉を良く動かすということだと思います。その為、朝起きて血圧が安定したらば体操を行う(ラジオ体操)、歩く時に足首をなるべく動かすように意識する、普段から膝の曲げ伸ばし運動を行うなど、脚部の筋肉と筋膜との癒着を防ぐように心がけることが大切です。また高齢者の方の場合、この筋筋膜の癒着などによってロコモティブシンドローム(運動器症候群)が起こってしまい、運動器の動作不良によって寝たきりとなってしまう場合もありますので注意が必要です。


膝に起こるスポーツ障害

スポーツをする上で、常に背中合わせとなってしまうのが「膝関節の障害」だと思います。これはお子様からプロのアスリートの方まで全ての年代に言えることだと思いますが、それくらいスポーツの動作と膝関節とは切っても切り離せない関係にある重要な部位のひとつです。

 膝に起こる痛みや障害に対して、まずは考えなければならないことは、膝蓋骨(しつがいこつ)と呼ばれる膝の皿を中心に考えた時、その皿のどの方向に痛みが出ているのかが重要となります。わかりやすく言うと、膝の皿に対して内側なのか外側なのか、または皿の上なのか下なのかということです。

 膝の痛みの原因として挙げられるのは大きくわけて2種類で、大腿部(太もも)の筋肉の動作不良もしくは関節内部の問題のいずれかのケースが圧倒的に多く、その中でもとりわけ大腿部の筋肉の動作不良がもっとも多いと言えます。医療機関では関節の軟骨や関節の隙間に着目することが多く見られますが、実は関節軟骨の問題となっているケースはとても少なく、高齢者の膝関節痛も軟骨ではなくほとんどが筋肉の問題となっています。

 それでは、膝の皿の骨を中心に考えてみて、どの部分に痛みが出ているのかを考えてみた時、どのような原因が考えられるのかを下記にまとめてみましたので、参考になさって下さい。

◎膝蓋骨上部
●大腿直筋(だいたいちょっきん)の筋肉の動作不良
●膝蓋腱(しつがいけん)上部の炎症等

◎膝蓋骨本体部と下部
●大腿直筋、膝蓋腱の問題
●大腿直筋の動作不良によって成長痛が起こる
●成長痛に伴うオスグッドシュラッター症

◎膝蓋骨内側
●大内転筋(だいないてんきん)の動作不良
●短内転筋(たんないてんきん)の動作不良
●長内転筋(ちょうないてんきん)の動作不良
●内側広筋(ないそくこうきん)の動作不良
●縫工筋(ほうこうきん)の動作不良
●薄筋(はっきん)の動作不良
●半腱様筋(はんけんようきん)の動作不良
●半月板(内側半月)損傷
●内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)損傷
●鵞足の炎症

◎膝蓋骨外側
●腸脛靭帯炎
●大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)の動作不良
●外側広筋(がいそくこうきん)の動作不良
●半月板(外側半月)損傷
●外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)損傷

 細かく見てしまえばこの他にも様々ですが、大まかな原因として挙げられる原因としては十分に参考となると思います。

 これらの原因は、半月板損傷と靭帯損傷を除いて、普段からのストレッチや体操などで十分に予防ができるものです。よく耳にしますが「いやぁ~、確かにストレッチや体操を毎日やれば良いんだけどねぇ。ただ時間がないし、長続きしなくて。」という言葉ですが、本当に痛くて痛くてどうしようもないと悩んでいる方は、そうは思わないそうです。そのように思えるのは、まだ我慢できる程度の症状だからだとお話しされる患者様がおられますが、確かにそれも一理あると思います。

 痛みや苦痛で切羽詰まってしまっている方は、その痛みや苦痛をなんとかしようとして努力をする方が圧倒的に多く見られます。また、そのようにご自身でも指摘されたことを守って努力をされた方々は改善しているのも事実です。どんなに忙しい方でも、体操やストレッチを行う時間が全くないという方はいないはずです。問題は自分の意識だと思います。



同じ姿勢の癒着・左右からの衝撃・伸ばした状態での負荷

 現代社会の生活環境を考えてみて頂きたいのですが、現在は股関節、膝関節、足首がそれぞれ90度以上に曲がる生活環境が少なくなってきました。食事を摂る際にはテーブルとイスに座っていることが多く、トイレは和式から洋式へと変化しました。また、正座をすることも少なくなってきています。それにプラスして、食生活が欧米化してきており、人間の筋肉の柔軟性が損なわれる栄養分だけの摂取をしてしまっている方もおられます。また、ストレス社会と言われ、抹消の血管収縮などによって筋肉の血流不良など、筋肉や身体にとってネガティブな条件がたくさんあります。

 人間の筋肉は動かす頻度が少なければ少ないほど、その形状から変化しにくくなり、様々な部位や骨を引っ張ったり押し上げてしまったり、時には繊維断裂や炎症などを起こすことで痛みが生じます。普段の皆さんの生活状況、生活環境を考えてみて下さい。長時間座ったままの姿勢で何かを行ってはいませんか?歩く時に地面をこするように歩いてはいませんか?もう一度ご自身の生活の環境や状況を考えることも良いことではないでしょうか。