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誰でもわかる!からだ教科書・・・「臀部(お尻)編」

臀部に起こる不具合は、腰や下半身とも密接に関わっている!それ以外にも・・・

 こんにちは、山の上の院長こと佐々木です。今回は臀部(お尻)に起こる不具合を考えてみたいと思います。臀部は上半身の動作も下半身の動作や衝撃も支えている部位です。その為、上下どちらからも負荷を受ける部位ですので、体の中でも筋肉量の多い部位のひとつになっています。

 上半身の重量を支えながら、歩行時や走る時などは下半身の動きも同時に司っている部位でもある為、常に高負荷がかかっている状態で稼働しています。ではその臀部に起こる可能性が考えられる不具合を考えてみたいと思います。



上半身の屈曲、下半身の屈曲でも伸縮する

 臀部の筋肉は、上半身を前後に曲げる時も、下半身を動かす時も、常に伸縮を繰り返しています。その為、体の他の部位と比べてみても、肩の筋肉と同様に常に動いている部位だと言えます。

 動作量が多いということは、それに比例して筋肉の拘縮が起こりやすい部位であり、この臀部の筋肉の拘縮によって起こる痛みや症状として急性腰痛症(通称:ギックリ腰)や椎間板ヘルニア、脊椎分離症、脊柱管狭窄症など、腰部に起こる運動系統の代表的な症状が考えられます。

 内臓症状として考えられるのは他の部位と比べてそれほど多くはなく、一部生殖器(更年期症状含む)、泌尿器の不具合が現れることがあります。ただし、臀部に現れる内臓症状は、運動系統の不具合が現れる部位とは少し異なっており、運動系統の場合はお尻の脇、内臓症状によるものの場合は後方の骨盤部(仙骨と呼ばれる骨盤の中心部)に現れることが多い傾向にあります。


大腿骨頭周辺の不具合

太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)の一番上部にある部分を骨頭(こっとう)と言いますが、この大腿骨頭(だいたいこっとう)はお尻の脇にある腸骨(ちょうこつ)部分にはまっており、これが股関節という関節を作っています。

 この大腿骨頭の腸骨への入り方が浅くなっている方がおり、歩いていて股関節が外れてしまいそうな違和感があるとか、歩いているとお尻の脇に痛みが出てしまうという方がおります。この骨頭の入りが浅くなる原因として考えられることは、後天性の場合、過度の高負荷運動によるものや、無理な動作の繰り返しによるものが挙げられると思います。また、先天性の場合、生まれつきの骨の形成不全や、成長過程における形成不全(成長期のオーバーユース等)が考えられます。

 治療や施術としては、骨盤部につながる筋肉を緩めることで、臀部にかかる負荷を和らげるようにして、骨盤ベルトの使用を推奨したり、場合によっては骨移植(自分の体の他の部位から)や人工関節(チタン等)の手術が必要となる場合もあります。


坐骨神経痛などによる不調

元々は、腰から下半身に向かって足までつながり、下半身を支配している神経系のメインである坐骨神経が、腰、臀部などのどこかで、脳の命令を筋肉にうまく伝えられず、その筋肉が動作不良を起こすことで痛みやしびれが現れます。

 この坐骨神経は、腰から臀部の深層部を通り、大腿部(太もも)、ふくらはぎやスネ、足の裏表までつながっています。その為、この坐骨神経の通り道であるお尻、お尻と太ももの付け根、太ももの裏、ふくらはぎやスネなどに痛みやしびれを訴えます。この時に臀部に「針でチクチク刺されているような痛み」とか「皮膚表面がザラザラとしているような感じ」というような痛みや違和感が現れてしまいますので、この痛みもある意味、臀部の痛みと言えると思います。


帯状疱疹による症状

帯状疱疹は、お子様の頃にかかったり、大人になってから発症したりする水疱瘡(みずぼうそう)ウィルスなどの影響によって起こると言われています。このウィルスは人間の体内のある場所に潜伏して休眠していると言われておりますが、実は潜伏している場所は人間の神経組織の中と言われています。

 帯状疱疹は、だいたいスタート位置が決まっており、そこから広範囲に広がって現れますが、その広がり方というか現れ方には特徴があります。実は、その時の体の中で、もっとも弱っている神経経路に沿って現れることがほとんどで、「帯状疱疹後の神経痛様症状」と呼ばれるものがあります。これは、帯状疱疹が治った後、神経痛に似た症状が出ることがあり、坐骨神経に沿って出た場合に坐骨神経痛に似た症状が出る場合もあります。


前立腺の病気や尿管結石

前立腺は男性の場合の限定となりますが、前立腺の症状によっても臀部周辺に痛みを感じてしまう場合があります。この時、腰や脇腹などにも痛みが出てしまうこともあり、中にはギックリ腰や腰の症状と思い込んでしまう方もおります。ただし、骨盤部の脇の上部辺りに激痛を感じるほどの症状の場合、同じ方向の脇腹などにも激痛を伴っていることが多く、早急な検査が必要となります。

 尿管結石についても一部臀部周辺に痛みを感じてしまう場合があります。この場合も痛みの度合いとしてはかなりの痛みを伴いますし、腰や脇腹などの複数部位に痛みが併発して起こることが多くなるので、排尿時に痛みを感じるとか違和感を感じるという場合には、尿管結石を疑うことも必要となります。



臀部に起こる痛みはほとんどが運動系統

 臀部に起こる痛みの場合、運動系統(筋肉、骨、神経)に問題がある場合がほとんどです。中には内臓に起因するものもありますが、大半は運動による筋肉の拘縮や外傷、神経痛などによる症状の傾向が多く、脚や上半身を可動した時に痛むケースになります。また、ギックリ腰などでも臀部に違和感などを出す場合もあります。

 もし体を動かしていないにも関わらず臀部に「激痛」が出ている場合には、なるべく早めに医療機関を受診して、症状を特定してもらうことをおすすめします。ただし重度の挫傷(肉離れ)などの場合、動作していない状態でも激痛が現れてしまい、内出血も伴うことが多くなりますので、その際には、痛みが出た日の夜や翌日の朝などに、内出血が起こっているかどうかを確認してみることも必要です。