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昔よりもはるかに増加!?お子様の成長痛が起こる原因と対策方法。

昔よりも増加の一途を辿るお子様の成長痛を解明する!

近年増加傾向の一途を辿るお子様の成長痛は、様々な環境変化によって増加していると考えられます。昔はそれほど成長痛自体が多くはなく、その頃に比較してみると倍の増加では全く足りないほど増えていると考えられます。本来代表的な成長痛としては膝に出る痛みとかかとに出る痛みが主なものとなっていますが、スポーツをしているお子様にお話しを伺ってみると、具体的かつ有効な改善手段がないまま、症状をごまかしながらスポーツを続けているということでした。今回はこの成長痛が起こる原因として考えられる可能性と、明確な対処方法をお話しして行きたいと思います。



原因その1「オーバーユース」

近年増加しているお子様の成長痛の原因としてひとつはオーバーユースによるものと言われることが多くなりました。オーバーユースやオーバーユースシンドローム(症候群)というのは、過度な運動、つまり「やりすぎ」ている為に起こっていると言われています。

確かに近年の部活動は、部活動が終わってからも別な活動がある部活もあり、全ての部、全ての学校ではないにしても、昔よりも時間的には長い時間の活動になっていることがあります。それが引き金となって起こっていると言われていますが、実際にはそれが大きな原因だと理由付けをするには少し疑問が残るのも事実です。


原因その2「生活環境の変化」

昔の生活環境と比較して大きく変わったのが食生活やトイレなどだと思います。昔の食事は肉類もありましたが、野菜を多く食べることを促されるような食生活であり、現在のようにファストフードやコンビニエンスストアはありませんでした。また、食事をする時には床に置かれたテーブルにあぐらや正座というような姿勢でした。これと同様の事柄として和式トイレから洋式トイレへと変化しています。

昔の子供は、床にかかとをつけた状態でいとも簡単にしゃがむことができましたが、現在の子供はそれをさせると後方へ転んでしまうことが多く、数年前には体育座りができない子供が増えているというニュースもテレビで放送されました。

このことから言えるのは、股関節、膝、足首の角度が必要以上(90度以上)曲がる生活のシチュエーションが昔ほどは無くなっており、足に備わっている筋肉もそれ以上に伸ばすということがなくなりました。筋肉は動かさなければそれ以上動くことは難しくなってしまい、普段から置かれてる状況以上に動くことが困難となります。


顕著なデータがあります

実は面白いデータというか、とても顕著に表れているデータがあります。部活動で行っている競技は多種多様ですが、成長痛が極端に出にくい競技があるということをご存じでしょうか?

それは室内で行う武道や格闘技、野外で行う相撲などがそれに当たります。なぜこのような競技は他の競技に比べて極端に成長痛が出にくいのかというと、始まりや終わりの挨拶、監督やコーチの話しを聞く姿勢が正座だということと、相撲であれば、どんな競技よりも柔軟性を意識して練習メニューを構成する為に、症状が起こりにくくなっていると考えられます。


原因1と原因2とデータから考えられる答え

上記に挙げた原因1と原因2、それと顕著なデータの全てを踏まえて考えた時、全てに関係するのは「下半身の筋肉の柔軟性」だということです。昔は生活している環境の中に、無意識の内に下半身の筋肉を伸ばすいわばストレッチを行っているようなシチュエーションがありました。しかし現在ではその環境はほぼ失われており、下半身の筋肉を伸ばすことが極端に減りました。

このことを踏まえて考えてもらいたいのが、部活動後に行うストレッチに関してです。今の子供は昔に比べ、ただでさえ筋肉の柔軟性が失われている可能性があるにも関わらず、部活動後のストレッチをほぼやっていないに等しい程度もしくは、指導者から「自宅に帰ったらストレッチをやるように。」と言われるだけで、本来部活動の時間内で行うべきストレッチが手薄になっているということが多く見られました。

ストレッチを十分に行わない筋肉は、安定性はやや増しますが可動性が極端に落ちます。その為、動かそうにも動かしにくい反応の悪い筋肉の状況となってしまいます。こうなってしまうと大会などでもなかなか思うような結果が出せず、結果が出ないから練習量が足りていないと勘違いをして、さらに練習を増量し、今よりも動きが悪くなってしまうという悪循環に陥りやすくなります。

指導者の方々に考えてもらいたいのは、過度に使い過ぎて、ケアを怠っている筋肉は、鋼鉄の鎧や装具と同様であるのだということを考えてもらいたいと思います。


下半身のショックアブソーバー

車の足回りには必ず「ショックアブソーバー」と呼ばれている、路面から伝わってくる振動を吸収する為のパーツが付いています。このショックアブソーバーがなければ、下回りののシャシーやボディのフレームなど、様々な部分にひずみが起こり、特に負担のかかっていた部分が破損します。

人間の体も同様で、走る、飛ぶ、着地をするという動作を行う時に、そのショックを吸収して分散するショックアブソーバーの機能が備わっています。それが股関節、膝関節、足首です。試しにジャンプをして股関節、膝関節、足首の全てを固定したまま着地を繰り返したと考えた時、下半身だけでなく腰や首なども痛める可能性が飛躍的に高くなります。


大腿四頭筋(太ももの前側)

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と呼ばれる、太ももの前側の筋肉は、鼠蹊部(そけいぶ)と呼ばれる太ももと下腹部の付け根辺りから膝の皿の下側までを構成している筋肉の柔軟性が損なわれてしまうと、膝を曲げる動作のように大腿四頭筋を伸ばす動きの時に膝蓋骨(しつがいこつ)と呼ばれている通称「膝の皿」を下から上の方向へ引っ張り上げるような力が働いてしまいます。

この膝蓋骨の上下には膝蓋腱(しつがいけん)と呼ばれる腱が付着しており、その下の腱を引っ張ってしまう為に、膝蓋骨の下に痛みが現れてしまいます。さらに大腿骨(だいたいこつ)と呼ばれる太ももの骨の下(膝に近い位置)には「成長線」と呼ばれるものがあり、そこが成長するということは、その成長に伴って太ももの筋肉も伸ばされてゆくということがイメージできると思います。

柔軟性が損なわれた大腿四頭筋が成長によってさらに引き延ばされ、なかなか伸びることができなくなった太ももの筋肉が、膝を曲げる運動でさらに伸ばそうとしてしまうことで膝の皿を引っ張ってしまい、それが膝の皿の下に痛みが現れる成長痛となって表面化してきます。この時、膝の皿の下側にある腱がはがされて剥離した状態となった場合はオスグッド(オスグッドシュラッター症)と呼ばれます。


同様の状況が腓腹筋に起こると・・・

このような状況が太ももではなく腓腹筋(ひふくきん)と呼ばれる俗称ふくらはぎに起こってしまうと、かかとに付着している腱が、かかとの骨の端を引っ張ってしまい、かかとに痛みが現れるようになります。

このかかとに現れる踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)も成長痛となります。別名をシーパー(シーバー)病とも言われ、両脚に起こってしまうと酷い場合には歩行することも困難となってくることがあります。



予防が大切。でも痛みが出てしまったら?

最近では少年サッカーのクラブチームなどで、太ももとふくらはぎのストレッチをきちんと練習時間内に入念に行うという流れが少しずつ増えてきました。これはとても重要なことで、成長痛が起こってから対処するのではなく、成長痛が起こらないように事前にやれるべきことをやっておくというとても良い例だと思います。

では成長痛がすでに現れている場合はどうすれば良いのかというと、ストレッチを行うと引っ張られて痛みが出てしまいます。が、それでもストレッチを行って下さい。極端にひどい痛みが出ている時は数日間の安静が必要となる場合もありますが、段階を追ったストレッチ方法がとても有効となりますので、その時伸ばせる範囲ギリギリまで伸ばすということを毎日続けるようにして下さい。また今回は、成長痛という観点で記事を書かせて頂きましたが、ジャンパーズニー(ジャンプ膝)のように、着地で起こる症状も同様に考えて下さい。痛みがあるから動かさないで、痛みが消えるまで待つということではなく、我慢できる程度まで伸ばすことが大切です。